メノウ
メノウ

Unique際立つ

際立つデザインを支える職人技

大胆なデザインや繊細なフォルムは、単なる発想だけでは成立しません。その背後には、確かな技術力と、素材への深い理解に裏打ちされた職人たちの挑戦があります。QUONの「メノウ」は、正方形と円形の中間の形状である“スーパー楕円”の形を平面的に応用することで、正面性を維持しながらも、単独では円形に近くみえる独自のフォルムを実現しています。さらに、実用性やカスタマイズ性といったコントラクト家具としての機能性も兼ね備えています。本コラムでは、その美しいデザインを支える技術と思想について掘り下げます。

デザインの発端となる着想

デザインの発端となる着想

メノウの象徴ともいえる四隅のスリットは、ファッションにおける「袖リブ」から着想を得たものです。柔らかく形を受け止めながら、全体をほどよく引き締めるという構造に、素材を扱う上でのしなやかなコントロールというヒントがありました。この発想は、単なる意匠ではなく、張地を美しく張るための機能としても働きます。丸みのある形状は、意図したラインを保ち続けるための仕掛けと技術が必要です。ひらめいた形が、美しさと実用性の両方を自然に満たしている。その点にこそ、メノウのデザインが持つ深さがあります。

ひらめきと技術が生んだ、新しいかたち

ひらめきと技術が生んだ、新しいかたち

しかし、デザイナーの着想はそのまま形になるわけではありません。丸みを帯びたフォルムに生地を均一に張り込むためには、引き込みの方向・力の分配・生地の伸縮特性を見極める経験が不可欠です。特に業務用家具では、生地の種類や厚みの幅が大きく、選択肢の広さがそのまま構造の難しさにつながります。そこで、スリットが機能として生きるよう、複数の伸縮素材を比較し、縫製のテンションをミリ単位で調整する試作が重ねられました。意匠的な軽やかさを保ちながら、形状を崩さず、誰が見ても「美しい」と感じられる仕上がりを実現すること。そのための判断こそが、職人の技術です。メノウは、ひらめきと技術の両方が噛み合うことで成立したプロダクトです。

空間に馴染みながら、そっと印象を残す存在

空間に馴染みながら、そっと印象を残す存在

メノウのフォルムは、空間に自然に寄り添いながら、ほどよい存在感を与えます。四角ほど硬くなく、円形ほど甘さがない“スーパー楕円”のかたちは、視線を和らげながらリズムをつくり、複数並べてもまとまりを崩しません。張地やカラーを変えることで、カジュアルにも落ち着いた印象にも寄り添えるため、ラウンジやオフィス、待合空間など場所を選びません。空間の主役になりすぎず、しかし印象は確かに残る。その控えめな存在感が、設計者にとって心強い「選べる余白」となります。メノウは、使う人と空間の関係にしなやかに溶け込むプロダクトです。